リウマチ
Rheumatoid arthritis
リウマチ
Rheumatoid arthritis
関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節の痛みや腫れが生じる病気です。
関節リウマチは、ただ痛いだけではなく、無治療のままでは関節中の骨や軟骨、腱が壊され、関節が変形してしまいます。
女性の方が4倍ほど多く、30~50歳代での発症が多いですが、最近では高齢で発症する患者さんも増えています。
人口のおよそ0.5~1%の方が病気にかかっていると言われており、日本には60~100万人の患者さんがいると考えられています。
関節リウマチの患者さんは、あちこちの痛みが生じ、痛みと不安を抱えて受診した病院では完治しない病気と言われ、副作用リスクのある薬を続けるように言われ、いったいどうなっていくのだろうか…と暗い気持ちにもなってしまうでしょう。
確かに治療の基本は薬物療法の継続です。しかし、治療薬の目覚ましい進歩によって、「寛解(かんかい)」の状態に達することが可能になってきました。
「寛解」とは、お薬の力を借りながらではあるものの、関節の痛みや腫れなどの症状がほとんどなく病気をコントロールできている状態をいいます。ほんの数十年前までは痛みを少し和らげる程度で、痛みを十分に抑えたり関節の変形を抑えたりするのは難しい時代でした。しかし、その後に抗リウマチ薬が開発され、特にここ20年ほどは毎年のように新たなお薬がどんどん開発されています。これはとても明るい事です。
また、早期に寛解へ導くことで、その後の関節破壊を抑えることもできるようになってきました。
病気になってしまったのは誰のせいでもありません。もちろん自分を責める必要は全くありません。
病気になったことではなく、病気を上手くコントロールできることに意識を向けましょう。
薬物療法は、免疫の異常を改善し関節破壊の進行を抑える「抗リウマチ薬」を中心に、必要に応じて痛みや腫れを軽減する「ステロイド薬」や「非ステロイド系抗炎症薬」などを使用します。
抗リウマチ薬の効果が得られるのには1~3ヵ月かかり、効果には個人差があります。そのお薬が無効な場合や副作用で継続できない場合、あるいは一時的には有効でも経過の中で病気の勢いが増したりお薬の効果が減弱(エスケープ現象)したりする場合があり、その際はお薬を追加したり変更したりします。
抗リウマチ薬の中心はメトトレキサート(商品名:リウマトレックス、メトレート、他)ですが、副作用や合併症などによりメトトレキサートが十分量あるいは全く使用できない患者さんには、サラゾスルファピリジン(商品名:アザルフィジンEN 他)などの他の抗リウマチ薬を用います。
また、近年、新たな抗リウマチ薬として、高い治療効果が期待できる「生物学的製剤」や「JAK(ジャック)阻害薬」が登場し、多くの患者さんを寛解に導いています。
抗リウマチ薬は基本的に継続していく必要がありますが、ステロイド薬や鎮痛薬は必要最小量に抑え、なるべく中止を目指します。
また、既に関節が変形してしまい、それによる痛みや日常生活への支障が生じてしまっている場合には、鎮痛薬の調整を行ったり(鎮痛薬の種類も増えてきています)、整形外科と連携したりしましょう。
リハビリや補助具の作成あるいは人工関節置換術など手術の技術もどんどん向上しており、これまで不可能だったことも可能になってきています。